発足から21年、福岡県の男女共同参画に貢献

審議会等委員の会「セミナーメイト」 

1998年9月あすばるが主催した「審議会等女性委員交流セミナー」の受講修了生で結成し、以降、毎年セミナー修了生などの会員を募ってきた審議会等委員の会「セミナーメイト」。県内各地の会員が共に活動し情報を交換して、対外との交流を深め、男女共同参画社会の推進に努めることを目的としています。55人もの会員を擁した時期もあり、2019年11月現在は14市5町の会員28人で活動しています。

自治体のトップを招いたフォーラム等を開催

会長の谷口さん(真中)

 セミナーメイトの活動は、大きくわけて5つの柱があります。

 1つ目は、2001年度から毎年秋の「あすばるフォーラム」に首長を呼び、シンポジウムや講演会などを開催してきました。

 会発足後、「自治体で男女共同参画を浸透させるためには、トップの意識が重要」という考えから首長にアプローチ。古賀市や久留米市、筑紫野市、那珂川市、志免町、大木町、福津市など、各市町村の首長等を招いたフォーラムは、2019年度の大川市で20回にのぼります。首長と男女共同参画の専門家との対談も人気です。

 2つ目は、毎年あすばるフォーラムに先立ち、フォーラムに登壇してもらう首長のもとを訪ねて、現地の取り組みを学ぶ「地域研修」を実施しています。

 また、3つ目として福岡県男女共同参画課や福岡市、北九州市などの男女共同参画センターと「行政との意見交換会」、4つ目に条例や女性区長などの「学習会」を行っています。そして、毎月10日に定例会を行い、毎月20日には会報「せみなーめいとだより」を発行して全会員に発送しています。

会員が連携して精力的に活動を続けてきたこともあってか、現在、福岡県では市町村の男女共同参画に関する条例制定が85%に達しました。また、セミナーメイトから6人の女性議員を輩出しています。

   会の発足時から参加している会員の一人は「首長をあすばるフォーラムにお呼びすることで、男女共同参画に関する取り組みに興味を持ってもらうきっかけができているので、活動の方向性は正しかったと感じてます」と話します。

 また、他の会員は「自分の自治体で条例を作るときや研修など、セミナーメイトの皆さんにいろいろ教わりサポートしてもらいました」「地域の課題について話し合い、他の地域の取り組みや実情を知ることができて、とても勉強になります」「自分が住む地域の財政や現状がよくわかるようになり、多様な視点を身につけることができました」など、それぞれに活動の意義を実感しています。

会の活動と共に、地域での取り組みにも尽力

 「これからも5つの柱で活動を継続して、それぞれの地域でもっと男女共同参画を浸透させていきたい」と語るセミナーメイトの皆さん。そのために、地域ごとに男女共同参画をテーマにした劇を上演したり、カルタを作って学校に配布したりするなど、工夫を凝らした取り組みを展開しています。この素晴らしいネットワークを次世代へつなげるために、新しい会員も随時募集しています。

(取材:2020年1月)

あすばるフォーラムでは各地の首長をお呼びしています。毎年会場に入りきれないほどの人であふれています。