ママ作家が活躍できる場を作り、人と人をつなぎたい

代表の本多さん(向かって右側)と副代表の戸山さん(左)

 

connect

connect(コネクト)」は、福岡県大野城市を拠点として、ハンドメイド作家が自分の作品を販売ワークショップを開催している団体です。作家や自宅サロンを開いている女性たちに役立つ実践的な講座も開いており、活動範囲も広がっています。

 

子どもがいても気軽に参加できるマルシェを地元で開く

 多様な働き方が広がる中で、雑貨などを作って販売したり、自宅サロンで教室を開いたりする女性が増えています。connectは、子育てをしながら作家活動をするママ作家を応援するために、2015年に誕生しました。

代表の本多由佳梨さんは「『connect』=『つなぐ・つながる』という団体名の通り、作家活動を行うママなどを集めてマルシェを開き、ママ作家と買い物をする人、同じ趣味の人と人などをつなぐ場所づくりを行っています」と説明します。本多さんは4人の子どもを育てながらスクラップブッキングの講師をしており、同じくスクラップブッキング講師で子育て中の戸山敦子さんが副代表となり、2人でconnectを立ち上げました。

 「当時、福岡市の中心部では作家が集まるマルシェが開催されていましたが、小さな子どものいるママが大野城や春日から出展するのも買い物に行くのも大変でした。そこで、身近な場所でマルシェを開き、地元のママたちが気軽に出展したりリフレッシュしたりできる場を作りたいと思ったんです」と戸山さんは話します。

 

大野城市での定期イベントに加えて、福岡各地で出展

イベントができる場所を探したところ、大野城市男女平等推進センター 「アスカ―ラ」が思いに賛同し、場所を提供してくれることになりました。そこで2か月に1度、平日の昼間に30ブースほどが出店する「雑貨イベントconnect」を開催しています。
 connectのルールは、既製品や中古品は扱わず、作家自身が作ったものを届けることです。マルシェでは、アクセサリーや布小物、雑貨、木工、フラワーなどを販売するほか、雑貨やアルバムづくりなどのワークショップ、マッサージなどもあります。子連れで出店することも可能で、「始めたばかりの頃は、私も子どもをスリングで抱えながら参加していました」と本多さんは振り返ります。

 活動については、ホームページやSNSなどで発信してきました。設立から6年半が経った今では、出展を希望する登録者が約450人になり、イベントごとに募集をかけて出展者を決めています。さらに、connectに出展の依頼が来ることも多くなり、マリンメッセやTSUTAYA、ケーブルテレビなどでもイベントを開いてきました。「私たちは何でも2人で相談して即決できるのがいいところです。ただ、2人だけでは告知力がなく、作家さんなどまわりの方々に恵まれて、皆さんが活動について広めてくださったおかげで、これまで続けてくることができました」と本多さん。

元気塾をきっかけに新たな作家や活躍する女性が増えた

元気塾

 2018年度には、あすばるの「女性による元気な地域づくり応援講座事業(通称:元気塾)」に応募し、実行委員会を立ち上げ、「那珂川市-ichi-つくります!」と題して元気塾を開きました。
 「もともとは、那珂川の博多南駅前ビル・ナカイチでマルシェをできないかという相談を受けたのですが、できる人を那珂川で育てたらいいのではないかと思い立ち、作家活動やマルシェの運営をしてみたい人を対象に全6回の講座とおためしマルシェをやりました。講座をきっかけに、今ではいろいろな人が作家活動を始めたり、団体を作ったりと、私たちの想像を超えた大きな広がりがあって、すごいなあと思っています」と2人はうれしそうに話します。

 

 

 今はコロナの影響で、イベントを開くのが難しい状況です。「イベントを中止したり規模を縮小したりしても『待ってるよ』『これからも続けていってね』と出展者やお客さんからたくさん励ましの声をいただき、ありがたい限りです。作家さんによっては活動の場がなくなり、オンラインでの販売に切り替えている方もいます。でも、やっぱり直接お客さんとつながって買ってくださる姿を見たいという声が多く、私たちも作家さんやお客さんの笑顔があふれるイベントをすることが本当に楽しかったので、これからも作家さんのお役に立つことができて、皆さんが楽しんでくださる場を作り続けていきたいと思います」と、connectの代表としての意気込みを本多さんが熱く語ってくれました。

(2021年6月取材)