教職員や社会体育の指導者たちが集まり、体操やダンスを通して心身の健康をサポート
福岡県女子体育連盟
福岡県女子体育連盟は1954年「女子の体育は女子の手で」を合言葉に「SITの会」として発足。1958年東京に本部を置く日本女子体育連盟の福岡県支部となりました。
創立から70周年を迎え、教職員や社会体育の指導者たちが会員となり、幼児から年長者まで世代を超えて「いつまでも 心豊かに 美しく」を合言葉に活動を続けています。
女性の体育教員の研修を主な目的として発足
日本女子体育連盟は、戦後間もない1954年に「日本の女子体育の普及振興をはかり、生涯にわたる女子体育に関する研究と実践等の事業を行い、もってすべての人々の心身の健全な発達に寄与すること」を目的として設立されました。福岡県女子体育連盟も初代竹内愛子会長のもと、1958年に支部となりました。
「当連盟は、女性の体育教員がまだ少ない時代に誕生しました。当時の先生方は同好の者たちが自費で集まり、自分たちで研修(勉強)を行っていました。福岡県では北部・中部・南部・京築の4つのエリアで女性の体育教員が切磋琢磨していました。やがて県内自治体に教育センターやスポーツ科学情報センター(アクシオン)ができたことで公的な研修システムが整い、勤務時間に旅費をもらって学ぶことができるようになりました。そのため私たちの活動内容も変わり、現在は北部支部が残って、県内の皆さんと一緒に活動しています。」と、理事長で元小学校教員の酒井孝子さんは話します。
女性体操教室には年間のべ1500人以上が参加
現在は2代目松村佐和子会長のもと、幼稚園や小中高校、特別支援学校、大学、社会体育の指導者を中心に、20代から80代まで100人ほどの会員がいます。主な活動は、北九州市女性体操教室、創作ダンス研究発表会、夏季ダンス講習会の3つです。
北九州市女性体操教室は、前期4~6月と後期9~2月に分けて、市内3会場で開催。市の主催・共催事業で、日頃運動する機会が少ない女性を対象に、気軽にできるストレッチやリズム体操などを行います。いつでも、だれでも、参加できる時に来て活動していくことができる教室です。年間の参加者はのべ1500人を超える人気ぶりです。「自分の姿勢を意識して動くことで身体を整え、楽しく笑って運動することで、心身の健康と体力の向上を目指しています。参加してくださった高齢の方が『広い空間で、声を出して皆さんと交流できる時間がとてもうれしい!』と言ってくださって、少女のように純粋な表情で一生懸命に踊られる姿を見ると、こちらの方が元気をもらっています。」と、元中学校教員の大屋和子さんはやりがいを感じています。
行政や民間と連携しつつ、市民に必要とされる連盟を目指して
創作ダンス研究発表会は、親から子へ、孫へ、恩師から教え子へと代々受け継がれ、今年度で58回目を数えます。さまざまな団体がダンスを披露する会で、昨年度は14団体250人、幼児から90歳まで参加しました。高校や大学で体操・新体操を指導してきた副会長の上村郁代さん(母娘2代にわたる会員)は「北九州市女性体操の3教室(黒崎・三萩野・浅生)のシニアの方々(約80名)も出場されます。『舞台でスポットライトが当たりますよ!』と言うと『頑張ります!』と喜ばれて、いきいきと元気に活動されています。いくつになっても、楽しさ・喜び・感動する気持ちが大切ですね。」と話します。
また、毎年行っている夏季ダンス講習会では、本部から先生を招いたり、会員が東京本部で研修を受けた内容を伝達したりして、会員の指導力アップを図っています。
今後の目標について、酒井さんは最後にこう語りました。「体操教室は北九州市から社会教育関係認定団体として応援してもらっています。創作ダンス研究発表会は地元企業の協賛金のおかげで続けることができています。これからも時代の変化に柔軟に対応しながら、市民の皆さんに必要とされる団体であり続けたいです」