ママの笑顔を増やし、みんなが笑顔で活躍できる社会へ
ままいる
「ままいる」は、2013年に大野城の「男女平等推進センターアスカーラ」で開かれた「ママの未来チャレンジ」の受講生が立ち上げたグループです。
現在は、大野城市や春日市、筑紫野市などに住む子育て中のママを中心とした12人で、無理なく楽しく活動しています。
コワーキングスペースとイベントなどを企画・運営
「ママのスマイル」と「ママはここにいる」という意味を込めた「ままいる」。ママの笑顔を増やすことで子育てに関わる全ての人が笑顔になり、子どもたちが活き活きと活躍する社会をつくることを目指して、多彩な活動を展開しています。
「設立の時はアスカ―ラの職員さんが申請書の書き方から優しく伴走してくださって、行政の方々にはいつも力になってもらっています」、そう話すのは設立2年目から6年間にわたり代表を務めてきた三好真代さんです。
まずはメンバー内で講師になり、リース作り講座をやってみて、それから外部講師を招いたバランスボールの講座や料理、講演会と、企画内容を広げてきました。
2017年度には、あすばるの「女性による元気な地域づくり応援講座事業」に応募。大野城市元気塾「コワーキングラボおおのじょう」として、託児付きコワーキングスペースを作るための6か月の講座を開催しました。
「私自身が自宅で子どもをみながら仕事をして行き詰まることがあり、子どもを預けて仕事や自己啓発などができるオープンなスペースが必要だと思っていたのです」と三好さん。
講座での学びをもとに、2018年1月には託児付きコワーキングスペース「ままいるーむ」をオープンしました。
現在は、月2回、大野城「心のふるさと館」などで「ままいるーむ」の事業を続けています。
主体性を大切に一人がやりたいことをみんなでサポート
3代目代表の島田和子さんは、イベントに講師として呼ばれたことがきっかけで、2017年にメンバーになりました。「義務やしばりがなく、主体的にやりたい人が手を挙げるとみんなが協力する形ができていて、とても素敵な団体だなと思い、メンバーになりました」。
その言葉の通り、ままいるが大切にしているのは「できる人ができることを無理せずにやる」「やりたいことを諦めない」です。例えば、三好さんはもともとホームページ制作に興味があり、自ら学んでままいるのページを作りました。「ままいるのおかげでホームページ作りやイベント企画、団体運営のスキルが身につき、たくさんの人と出会うことができて、私はままいるに育ててもらいました。社会でも仕事でも生かせる力をつけられる場だと確信しています」と話します。
現代表の田中布弥さんも、自分のやりたかったことを実現した一人です。「『ママをやめてもいいですか!?』という映画の上映会をしたいなあとポロっと話したら、メンバーがすごくサポートしてくれて実現することができました。ママは一人じゃないというメッセージが込められた映画で、観てくれた方から自分だけじゃないと安心できたという感想や、パパとの関係が良くなったという報告もあって、とてもうれしかったです。私自身、学級委員をはじめリーダーなんて今まで一度もしたことがなかったのですが、上映会を企画し主体的に関わることですごく自信がつき、今では代表を務めるまでになりました。そして改めて、みんなで助け合い、やりたいことやスキルアップができる『ままいる』ってすごい団体だなと実感しました」。
子育て中の当事者が共助で高め合い、自然にスキルアップ
メンバーの多くは子育て中ですが、普段のやり取りはSNSを使うことでスムーズに運営できているそうです。LINEWORKS、Facebookなど最新のコミュニケーションツールを使っていることも、メンバーのスキル向上につながっています。
「ままいるーむ」は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも万全の対策を取り、できる限りオープンしています。「立ち上げ当初は誰も来なくて、私一人で開けて閉めて帰る日々もあったのですが、ある日「今日空いててよかった!」と駆け込み寺のように頼ってきてくださった方がいて、その時はコツコツ続けてきて良かったと報われた気がしました」と三好さん。今では1日の利用者が20組近くになることもあり、田中さんは「コロナで自粛が続き、とても疲れた表情で来られるママが結構いらっしゃいます。リフレッシュの場として利用してほしい」と語ります。「子育て事情はどんどん変わるので、小さな子どもを育てている最中のママが当事者として運営し、助け合いながら、やりたいことをやれる場であってほしい」という三好さん。
代表やメンバーが入れ替わりながら成長し続けている「ままいる」は、これからもママの笑顔を増やし、誰もが活躍できる社会を目指して活動を続けていきます。
(2021年5月取材)