男女共同参画社会を目指し「みんなでカルタ」を制作

福岡市男女共同参画推進サポータークラブ

「福岡市男女共同参画推進サポータークラブ」(通称・アミカスサポータークラブ)は、2012年に有志により誕生した団体です。現在は男女11人のメンバーで、男女共同参画に関する講演会や講座などを開催しており、オリジナルで制作した「男女共同参画みんなでカルタ」が大好評です。

サポーターがさらなる活動の場として設立

  アミカスサポータークラブは、「福岡市男女共同参画推進サポーター」の有志を中心とした市民団体です。福岡市男女共同参画推進サポーターとは、福岡市が地域の男女共同参画を進めるために、福岡市男女共同参画推進センター・アミカスで開いている養成講座を修了した市民ボランティアです。サポーターは研修の講師として各地に派遣されるほか、自分たちで考えた寸劇やワークショップを行うアミカス寸劇隊としても活動しています。3年に1度研修を受けて登録する仕組みになっています。 
 「男女共同参画についてさらに学びながら、自分たちができることをもっとやっていきましょうと話が盛り上がり、賛同する人たちで2012年10月にアミカスサポータークラブを立ち上げました」と、現代表の太田由美子さんは設立の経緯を説明してくれました。

 同会の目的は、男女が互いに人権を尊重し、性別に関わりなくさまざまな分野で個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現を図ることです。「男女共同参画社会実現への思いがあり、一緒に活動していただける方であれば、福岡市民でなくても会員になれます。メンバーはそれぞれ本業があるので、できる人ができることをやろうというスタンスで活動しています」と太田さんは話します。

男女共同参画を学べるオリジナルのカルタが好評

   同会では、毎年アミカスで「男女共同参画ステップアップ講座」を開催しています。地域で男女共同参画の担当になった人や興味がある人たちを対象として、基礎講座やワークショップ、各地の事例紹介やネットワークづくりを行っています。そのほか、講演会や学習会なども実施してきました。

  2018年には、子どもから高齢者まで興味を持ってもらえる学習ツールとして「男女共同参画みんなでカルタ」を制作しました。

  「男女共同参画みんなでカルタ」は、子どもから高齢者まで興味を持ってもらえる学習ツールとして制作しました。「私たちが出向いて研修しなくても、地域や職場、学校などで自分たちで学べるツールがあればいいねという話からカルタを作ることにしました。当時、男女共同参画カルタはあったものの、時代に合わない内容もあり、現代に合うように44枚の読み札の言葉からみんなで何度もアイデアを出し合って吟味しました。今の男女共同参画がカバーするテーマは人権からLGBT、セクハラ、DV、働き方、夫婦別姓など幅広く、いろいろなテーマで44の句を考えるのがとても大変でした。絵札のイラストはどんな人にも受け入れられやすいタッチで、伝わりやすく印象に残るように表情や色合い一つひとつにこだわって描いてもらいました」と太田さんは話します。

1年かけて完成したカルタには、解説シートとワークシートをつけて学習・研修ツールとして注文販売(3,000円/税・送料込)を受け付けたところ、これまでに200セット以上の注文があり大変好評です。

オンライン講座で見えた新しい可能性

 現在はコロナ禍で、今まで通りの活動はなかなかできません。しかし、2021年6月には内閣府男女共同参画局長の林伴子さんを講師に招き「局長に聞く!第5次男女共同参画基本計画」というオンラインイベントを開催。70人ほどの参加者が集まり、活発な質疑応答が繰り広げられて、アンケート結果では満足度のとても高いイベントになったそうです。
「今回初めてオンラインで講座をやってみたら、オンラインでもすごくいいイベントができると実感できて、新しい展開も見えてきました。今は思うように動けませんが、いろいろな団体からカルタを使った研修に来てほしい、カルタを購入したいという声もたくさん寄せられています。興味のある方は、ぜひ気軽に問い合わせをしてほしい」と太田さん。最後に「誰もがさまざまな分野で個性と能力を発揮できる男女共同参画を目指して、これからも活動を続けていきます」と力強く話しました。
(2021年6月取材)