ゆるくつながり、チャレンジできる場を作り続ける

CORAL(コーラル)

2013年設立の地域コミュニティ。平成24年度(2012年)福岡県とあすばる主催の女性リーダー養成講座「ふくおか女性いきいき塾」で出会った小郡市在住の3人が、小郡市で同世代の女性が学べる場としてスタート。小郡市市民提案型事業で「プレゼンテーション講座」を企画開催。2018年に「あすばる元気塾」に応募し採用。「スマホアプリで動画を作る!おごおりチャンネル」動画制作講座を開催。その成果としてYouTubeによる地域情報発信コンテンツ「おごおりチャンネル」を開設。現在、月に1回小郡市味坂校区コミュニティーセンターを中心に「もくもく動画編集会」や「まわしよみ新聞」を通じてリアルな交流を深める活動もしています。

小郡で暮らして、仕事をする。キーワードはIT

「地方で暮らす人が活躍するにはITスキルの習得が必要」「小郡市には魅力がいっぱいあるのに、転入してきた新しい住人に伝えきれていない」など、小郡市に住んでいる女性たちが日々感じている課題に、女性の視点を活かした解決方法があるのではないかと考えたのが「あすばる元気塾」への応募のきっかけでした。

ITというと敷居が高いので、テレビ番組ディレクターを経て、現在はフリーランスの映像作家として活躍中の、三重野健司さんに講師をお願いしました。スマホアプリを使った動画作成で、楽しみながらITスキルの習得にもなる講座を組みました。

 元気塾講座の中で出来上がった「おごおりチャンネル」は、小郡市のオススメスポットやお店、人物など小郡市の魅力を伝える内容の動画がアップされています。また、Zoomでの会議やGoogleドライブでのデータ共有など、自然に企業のリモートワークやテレワークでも使われるITスキルが身に付きました。「物理的に直接会うミーティングの数は少なくても作業が進み、便利さを実感できました」と当時を振り返ります。

「私たちでもできるIT」が注目された

  「おごおりチャンネル」はマスコミからの関心度も高く、新聞取材やテレビ取材がありました。なぜ注目したのか、理由をテレビ取材の担当者から聞いたところ、「若い人が動画を撮るのは当たり前だが、そうではない世代がするのに興味を持った」と言われたそうです。受講生も、最初は全くできなかったのですが、やりたい気持ちがあって学ぶ環境があれば、誰でもどんどんできるようになる。そして、パソコンがないとITはできないのではなく、すでにツールとしてスマホがある。視点の変え方で、写真とメール以外でもスマホが使えると分かったのは大きな収穫でした。「おごおりチャンネル」をきっかけに、他地域の元気塾の団体に動画制作を教えに行くなど、活動も広がっています。

新しいものを取り入れ、縛られず、変化することが楽しい

  CORALのスタイルは、ゆるくつながること。当初は会員制でしたが、現在は管理に労力を使わない方法で運営しています。イベントや活動の連絡はFacebook、ライン公式アカウント、slackで行い、興味のある人が誰でも参加できるオープンな形に落ち着きました。

CORALは新しいことがしたいと言えば「それやろうよ!」と受け止め応える場所。そうやって新しいことをして常に変化し続けています。「ルーティンの活動があるとそれに固執して、維持することが目的になり停滞してしまう気がして。それに、初めてのことは前例がない分、思いきってできるし、新しいアイデアが出るのが楽しいんです。」と話します。

設立当初は「ひとりひとりの女性が成長して、自分らしく輝くことができるために、小郡で出会いと学びの機会を作り成長する」が目的でした。ですが元気塾の後、「ITを活用し、リアルなつながりも大切にしながら、新しい地域活動のありかたを小郡市で実践しているコミュニティ」へと変化しました。男性も活動に興味のある方がいることが分かったからです。

 「今後は女性、男性という枠を外してもっと自由に活動できたらと思います。次にしたいアイデアもいろいろありますよ。のびのびとお互いの能力や個性を発揮しながら、次はどう変わるのか私たち自身も楽しみです。」と今後の抱負を語ってくれました。

(取材:2020年1月)